【書評】お金2.0【これから大切にしていきたい考え方】
ちまたでなかなかに流行っている『お金2.0』だが、遅ればせながら僕もようやく読破。
感想を簡単に書いてみたいと思う。
本書では時代を変えうる新しい技術、仕組みのことや、経済の本質であったりと幅広く語られてはいるが、ここで触れたいのは
【資本主義から価値主義へのシフト】
です。
モノだけが価値を持つ時代は既に終了し、これからはより本質的『価値』がパワーをもつであろうと説明されています。
仮想通貨、AI、自動運転など、今までは絵空事のように思われていた技術がどんどん実用化され、暮らしに馴染んでいく。
その中で、物質的なモノの価値はどんどん薄れていくと著者は述べています。
これからは、より広い意味でのモノの『価値』を提供できる人間に富が集る、と。
じゃあ、価値ってなんなの?
ってなる。
価値、かちって言うけど、それを定義するのはなかなか難しい。
そこで筆者は、その価値の種類を3つに分類しています。
1.有用性としての価値
これは単純にモノの即物的な価値。従来からお金でやり取りできていた、価値、ですね。
2.内面的な価値
実生活に役に立つわけじゃないけど、人の心に感動を与えたり、人を癒したり、そういったもの。
オリンピックで全国民を沸かせた羽生くんの演技だったり、アイドルのコンサートだったり。
実生活で役に立つわけじゃないけど、これらは非常に価値があるものであると、考えられていますね。
今までは、みんなこれらが価値あるものとして認識してはいたけど、1で示した優勢としての価値と比較すると、「見えるようにすること」が難しかったんですね。
3.社会的な価値
企業の社会への貢献など、直接的な利益にはなり得ないものであっても、価値があるとされるものはいくつもあります。
繰り返しになりますが、これからは2や3のような今まではお金で評価することが難しかった価値もこれからどんどん可視化されていく。この価値を皆備えていこうね、って話である。
じゃあ、僕みたいな一般人はどのような価値を備えて行くべきなのか。
身近な目標として目指すべきだと思うのは、今後当面は自動化技術に取って代わられることのないであろう、『人へ感動を与えられるような良いシゴト』です。
キーワードは
その人/会社しかできない
だと思う。
大なり小なり今後どんな仕事も、機械による自動化が進められて行くはずです。
銀行の受付業務、タクシーのドライバー、更には医師の診断など。
そしてその機械化、自動化は当然『その職能の標準的なレベルに合わせて』為されるはずです。
皆と同じように、マニュアルに従ってやる仕事がどんどん機械に置き換わる中で、
その人しかできない+α」をもっている人は強烈な存在感を放つはず。
(まあ、それが客観的にみて価値をもっていることが最低条件ではありますが。。。)
それが何なのか、それは個人の努力で見つけて行くしかないのだが、僕が言いたいのは
【資本主義から価値主義へのシフト】は、大なり小なり我々の身近で起こっており、その影響が具体的な数値として突きつけられる時代がもうすぐ来る
ってことである。
日常の生活の中で、『本当の価値は何か』について、オペレーショナルな業務に忙殺されずに考えて行くクセをつけたい。
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